【箱根駅伝】予選会は順当な結果に。3強を脅かす大学はあったか

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by PHOTO KISHIMOTO

 さらにチーム3位の森井勇磨(4年)は1時間00分35秒。それに6秒と7秒遅れてゴールした田代一馬(2年)と佐藤孝哉(1年)もうまくいけば60分切りのタイムを出せる選手で、「まずまずの走りをした」と、上田監督は納得の表情を見せていた。

 だが本戦を考えれば、東農大の前田監督が「エースがいないから、課題は2区と5区、6区」と言い、山梨学院大の上田監督が「これで5区と6区がいれば……」と言うように、前回の日体大のように「一気に上位!」となるにはいま一つ足りない状況だ。それは10時間06分36秒で3位通過になった東海大も同様だ。東海大は1万m28分台の記録を持つ中川暸(3年)が欠場し、さらにエースの元村大地(4年)が9月後半に故障、2週間前から練習を再開したばかりだった。その元村は、出場した5人の1年生に声をかけながら走る役割を果たしていた。

 予選会を突破した13校に、シードされた10校を加え23校が出場する箱根駅伝。こうしてみると、予選会通過組の本戦での目標は、シード権獲得というところに落ち着きそうだ。

 予選会と出雲大学駅伝を終えた現時点で正月の箱根を睨めば、出雲では3位に止まったとはいえ、前回5区で勝負を決めた服部翔大(4年)を擁する日体大の優位は変わらないだろう。その服部は春から5000mと1万mで自己ベストを連発してユニバーシアード出場も果たしている。また前回2区の本田匠と9区の矢野圭吾(ともに4年)、3区の山中秀仁(2年)は世界クロスカントリー選手権の代表になった。その他にも前回6区の鈴木悠介(4年)と1区の勝亦祐太(2年)が、今年は1万mで自己ベストを出して進化しているのだ。

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