【続・東京マラソンへの道】中島彩「真夏を乗り切るオリジナル練習法」 (2ページ目)

  • 中島彩●文・写真 text & photo by Nakajima Aya

(1)涼しい場所を選んでラン!

 まず、私が練習場所として選んだのは、富士山の麓(ふもと)――山梨県富士吉田市です。ランニング仲間である五輪メダリストのエリック・ワイナイナさんから、「涼しいから走りにおいで!」と誘ってもらったのがキッカケでした。世界文化遺産となった富士山にも惹かれ、思い切って走りに行ってみましたよ!

 当日、東京の気温は32度を記録していましたが、富士吉田市は24度。湿度が低かったからでしょうか、私にはかなり涼しく感じられました。湿度の高い東京だと、外はまるでサウナ状態。しかし富士吉田市は、口に入ってくる空気が熱くないので快適に走れます。しかも、周囲の山の木々が日差しをさえぎってくれました。12キロほど走ったのですが、汗もすぐに乾きましたよ。

 雄大な富士山を眺めながら、快適な気候で最高のランニング......と思いきや、エリックは秘密のトレーニングを用意してくれていました。なんと富士吉田という土地は、高地なので空気の酸素が薄かったのです! ということは、普段の環境より酸素が身体に回りにくく、走っていると足が重たく感じるのです。大したことのない上り坂も、ペースを保つだけでひと苦労。五輪選手が心肺機能を高めるために高地トレーニングをするのは知っていましたが、まさか市民ランナーの私がこんなにも簡単に体験できるなんて、驚きです!

 また、高地での低酸素トレーニングの成果は、後日、思わぬところでさらに実感しました。「東京に帰ったらランニングが楽に感じるよ~」と、エリックが言っていたのですが、まさにその通り! 東京でランニングしてみると、呼吸時の息が深く入ってくるのです。心肺機能ってこんなにも変化するんだとビックリ......。みなさんも都会では味わえない、「世界遺産を目の前に」「涼しく快適で」「心肺機能も高められる」トレーニング、『富士山ラン』はいかがですか?

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