【続・東京マラソンへの道】中島彩「盲人ランナーの走りにビックリ!」

  • 中島彩●文・写真 text & photo by Nakajima Aya

 驚いた私は急いで、「声を掛けてもらって、ありがとうございます!」と伝えました。すると、盲人ランナーの方は、「なんだ!声を聞くと、あなた元気じゃない!」とのお返事......? そして、「なぜ私が後ろで走っていると気づいたのですか?」と問いかけると、「ため息みたいな、『は〜』という息遣いが聞こえたので、走っていて相当滅入っているのかと思いまして」と言われたのです。

 本当にビックリしました。走っている人の息遣いを耳にして、私のことを「疲れているのでは?」と、気にしてくださるなんて......。私はこう答えました。「私の今の『は〜』という息遣いは、雨で気分が落ちていることでの『は〜』で、走りで疲れたときの『は〜』ではないです! ご心配おかけしました!」。すると一同、大爆笑。そんな会話での嬉しさと、ため息を聞かれた恥ずかしさで、私のテンションは一気に上がりました。また、私の出演しているラジオ番組も聴いてくれるとのことで、さらに気分はアップ! 足を元気に前へと踏み出せるようになりました!

 これまで参加した大会でも盲人ランナーの方を見掛けることはあったのですが、ここまでフレンドリーにお話したことはありませんでした。かすみがうらマラソンならではの取り組みによって、今回、貴重な出会いができたと思います。そしていつか、私も「伴走ランナー」に挑戦して、ともに走る楽しさを感じたいと思いました! そのためには、余裕のある走りができるランナーに成長しなければなりませんね。また今度、盲人ランナーのランニングクラブにも顔を出してみようと思います。ランニングをともに楽しむことの素晴らしさ----。それを気づかせてくれた「かすみがうらマラソン」。単に自分が走るだけで完結しない大会は、とても魅力的ですね!

(2)大会スポンサーのパワフルさに驚愕!

 今回、かすみがうらマラソンに初めて参加して、もうひとつ感じたことがありました。それは、「歴史ある大会」だということです。東京マラソンが開催されるまで、かすみがうらマラソンは関東圏のフルマラソンで最も大きな規模の大会で、20年以上の歴史があります。そんな歴史を感じさせてくれたのが、「地元の方のサポート」でした。雨の中でもボランティアの方々が、途切れることなく私たちを応援してくれていたのです。

 とりわけ目立ったのが、大会スポンサーでもある日立建機さんの応援でした。コース脇にある日立建機の土浦工場前には、ズラリと並ぶ爽やかな男性従業員の姿! そしてランナーがやってくると、給水サポートをしながら、前後30メートルぐらいに響く声で、「頑張ってください!」と叫んでくれていたのです。なんとみなさん、ボランティアでの参加! 200人ほどいたと思います。手作りのボードまで用意して、とびきりの笑顔でスポーツドリンクを渡してくれました!

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