世界最速の17歳・桐生祥秀「目標は100m9秒台」

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Oriyama Toshimi

 昨年秋、10月の国体と11月のエコパトラックゲームズの男子100mで、10秒21と10秒19の世界ユース(17歳以下)最高記録を連発した桐生祥秀(よしひで/洛南高)が4月29日の織田記念国際陸上に出場する。

 高校2年の昨年、"世界一速い16歳"になった桐生は、冬期トレーニングも故障なくこなし、今年2月には沖縄で行なわれた日本陸連短距離合宿に初参加。日本のトップレベルのランナーから刺激を受けたという。

「シニアの選手とはまだ一緒のレースで走ったことはないし、練習も一緒にしていなかったので、合宿はいい経験でした。江里口さんなどの話も聞けました」

 こう話す桐生は練習で、江里口匡史(大阪ガス)とともに坂道練習や、トラックでのセットメニューをこなした。所属する京都・洛南高は猛練習で知られる高校ということもあり、桐生の無尽蔵ともいえるスタミナに先輩たちは押され気味だった。

沖縄での合宿で、江里口(写真右)ら、シニアの先輩とトレーニングを積んだ桐生(写真左)沖縄での合宿で、江里口(写真右)ら、シニアの先輩とトレーニングを積んだ桐生(写真左)
 去年の秋の2度のユース世界最高記録は、自分の中でどうとらえているのだろうか。話を聞いた。

「ユース世界最高はうれしかったし、学校でも最初はビックリしてみんな声をかけてくれたけど、最近ではもう全然話題にもされないんです。その数字を忘れて、また一からやっていきたいと思います」

――昨年のエコパではかなりリラックスした走りでしたが、予想したタイムだったのですか?

「秋シーズンは調子が上がっていたので、あのくらいだったらいけるかなと思っていました。ただ10秒19を出した時は、チームとして4継(4×100mリレー)に懸けていたので100mはついでのような感じで。決勝は4継で高校記録を出した後だったので、100mも気分よく走れました」

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