【続・東京マラソンへの道】中島彩「サイパンで50キロ走って学んだこと」 (2ページ目)

  • 中島彩●文・写真 text & photo by Nakajima Aya

サイパンマラソンは早朝4時30分にスタート。太陽も出ていないので周囲は真っ暗です!サイパンマラソンは早朝4時30分にスタート。太陽も出ていないので周囲は真っ暗です!   ☆ ☆ ☆

『第8回サイパンマラソン2013/50キロ寛平コース』

 東京マラソン後、前述のように身体を休ませたのですが、その後、私は「無茶な挑戦」をしてしまいます。なんと6日後、50キロマラソンに参加したのです! というのも、東京マラソンへの参加が決まる前に、出走が決まっていた大会でして......。

 しかも、場所はサイパン。さらにフルマラソンではなく、アースマラソンを完走した間寛平さんのプロデュースする『50キロ寛平コース』に挑戦しました。

 間寛平さんがアースマラソン挑戦時、1日50キロ走っていたことを由来とする『50キロ寛平コース』のポイントは、ふたつです。

●制限時間は8時間
●レース後半で約3キロの登り坂、通称『アヘアヘ坂』が待ち受ける

 私は、東京マラソンの興奮さめやらぬまま、単身でサイパンの地に降り立ち、気づけばレース当日にとなっていました。島の海沿いの道と、自然を活かしたコース――50キロに初挑戦です。

★スタート (4時30分)
 2時30分に起床。市内にある公園が、スタートとゴールのゲートでした。スタート地点には、50名という少数の健脚家の参加者が集っていました!

★10キロ (5時40分)
 市街地を抜けると、コースは完全な暗闇に。50名の参加者はちりぢりになり、私は孤独なランの中、サイパンに生息する野犬に追いかけられることに! 必死で逃げました(笑)!

★13キロ (6時00分)
 島の北端まで走り、折り返し。このあたりから足に不調の兆しが......。東京マラソンでの疲労が出始めたのです。ランナーの最後尾を走ることになり、後ろから警備のクルマが追走してくれました。警備員の方は陽気な音楽をカーステレオで流してくれて、ときどき「頑張れ―!」と声をかけてくれることも。結果、私はこの警備員の方と、ゴールまでともに走ることになります。

★26キロ (8時00分)
 ついに、アヘアへ坂に挑戦。ここで私の順位は、完全に最下位となります。つまり、ビリです! 日が出てきて気温も上昇し、足は曲がらないほど疲労困憊な状態。進まない足と、人生の悩みを重ね合わせ、心も限界状態に......。そしてようやく、アヘアヘ坂を上りきる。

★29キロ (8時50分)
 坂の頂上までの3キロを、50分かかって走破。その後、下りでペースアップし過ぎて、ひざが笑ってしまいました。ここで無茶な走りをしたせいで、レース最後まで左ふくらはぎがつった状態になりました。

★33キロ@5時間の関門地点 (9時15分)
 なんとか5時間の関門を突破! 足は棒と化していましたが、救われた気分になって舞い上がります。今までの大会で関門に焦ることのなかった私にとって、初めての焦りと安堵感を味わいました。関門によってレースを中止させられる不安の末に、「関門突破=完走できるチャンスを掴むこと」が、こんなに嬉しいことだなんて知りませんでした!

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