【陸上】100m日本記録保持者・伊東浩司が考える「9秒台の選手の育て方」 (3ページ目)

  • 折山淑美●取材・文 text by Oriyama Toshimi photo by Oriyama Toshimi

 新たにスタートした伊東新体制だが、周囲から期待されるのは100m9秒台の選手の育成である。それに対して伊東は、「選手を育てるというより、9秒台は出るはずなんです」と言う。

「僕が10秒00を出したころ、パソコンはウインドウズ98の時代だった。それが今はウインドウズ8になっている。それと同じように、陸上のトレーニング用具も改良されています。それでも9秒台が出ないというのは、道があるのにその方向を向いていないだけだと思います。まずは勝つことを考えること。失敗も成功もした先輩たちの経験を活かして、ヨーロッパやアメリカを転戦していけば、9秒台は出ると思います」

 世界と戦いたいという強い思いを持って、そのために何をしなければいけないかを考える。そうしなければ、選手の成長はない。そう考える伊東は、選手たちが、互いに刺激しあいながら、真の自立した選手になってくれることを期待している。9秒台は、その先に自然と見えて来るはずだ。

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