【箱根駅伝】思い切って前半勝負に出た優勝候補・駒大の狙いは? (4ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Wataru Ninomiya/PHOTO KISIMOTO

 駒大が波に乗って突っ走るような展開になるのは、各校の監督が警戒するところだ。そういう思い切った作戦をとることができるのは、復路にも複数の柱となる選手がいるからだ。そのひとりが6区の千葉健太(4年)である。千葉は6区、58分11秒の区間記録保持者。体調が万全ではなかった前回は59分39秒で区間5位だったが、今年はケガもなく順調にきており、本人も「区間新を狙う」と明るい表情で言う。往路で多少のビハインドがあっても、逆転は十分にあり得る。

 さらに復路のエース区間9区には、前回7区区間2位で今年はハーフマラソンで1時間02分50秒の自己新を出し、5000mでも日本選手権で7位になった上野渉が起用された。その前の7区と8区には、撹上と、前回4区区間3位で世界学生クロカンでも7位になった久我和弥(4年)が当日変更で入ってくる可能性が高い。

 さらに10区は、2大会連続で同区を走っている後藤田健介(4年)が、今季は故障で出後れていながら間に合った。前回出場した8名がそのまま残るという、隙のない布陣になりそうだ。

 大八木監督は「エントリーをした16人の顔ぶれを見れば、レギュラーが揃っている。自分が思うようなレースができそうな状態でスタートを迎えられそうだ」と、余裕を持っていたが、この区間配置をみれば、まさに「なりふりかまわず勝ちにきた」とも言えそうだ。

 最大のライバルは東洋大になるだろうが、先手を取る展開になればなるほど、各選手のスピードを生かすことができ、優勝の可能性は高くなる。

 

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