【箱根駅伝】ポスト柏原も断トツの層の厚さ。東洋大連覇に死角は? (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • photo by Wataru Ninomiya/PHOTO KISIMOTO

 ただし悠太は軽い故障で仕上がりが遅れており、どこまで万全な状態で走れるかという問題がある。もしその仕上がりが遅れるか、酒井監督が往路優勝にこだわらず総合優勝を確実なものにしたいと思えば、悠太を前回区間新で走った7区に置いて勝負をかけるという作戦もあるだろう。

 区間エントリーで名前のあがらなかった悠太と、スピードランナー服部勇馬(1年)の使いどころは、ライバルの動向や当日の調子を見て決めることになりそうだ。3区と7区のいずれかに入れる可能性が高いが、それらの区間にエントリーされている選手たちも全日本大学駅伝では好成績を残している。5区に駒大が村山謙太を起用したのに対抗して、悠太か服部を5区で使うという思い切った作戦もあるかもしれない。

 復路では、酒井監督が勝負どころのひとつと考える8区に前回区間賞の大津顕杜(3年)、10区には駅伝未経験ながら4年になって5000mで13分56秒46の記録を出し、1万mやハーフマラソンでも自己新をマークした富岡司を起用した。ただし他の選手も力は接近しており、区間配置のバリエーションが多彩なのも強味といえる。

「前回良かったのは最後まで攻めの走りができたこと。先頭だから5㎞15分でいいという走りをしたら、後続が14分30秒なら5㎞で30秒縮められ、10㎞で1分縮められて相手
にチャンスを与えてしまう。今回は他の大学も前回のうちの走りを目指してくると思うし、箱根を終えてから世界と戦えるようになるためにも積極的な走りをすることが必要。『東洋大らしい走りというのは攻めの走りだ』というのを今回も徹底したい」

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