【箱根駅伝】どれだけの差で柏原にタスキをつなげるかにかかる東洋大 (3ページ目)

  • 折山淑美●文 text by Oriyama Toshimi
  • 築田 純/アフロスポーツ●写真 photo by Tsukida Jun/AFLO SPORTS

 その中核となるのが、前回1年生ながら2区で1時間8分9秒と好走した設楽啓太(2年)だ。今年は5000m13分44秒31、1万m28分46秒80と記録を伸ばし、関東インカレでも2種目で入賞している。1区が他のチームと差のない状況でくれば、1時間7分台を狙える設楽が、早大や駒大にそれほど差を広げられることなく、次にタスキをつなげることができそうだ。

 ただ、問題は早大が大迫傑、駒大が撹上宏光を使ってきた1区だ。東洋大の1区は前回4区区間3位の宇野博之だが、ハーフマラソンの持ちタイムは大迫とは約2分、撹上とは1分の差がある。酒井監督は早大が大迫を2区に使うと想定したのかもしれないが、1区のタイム差をどこまで抑えられるかが課題だ。

 さらに2区で若干その差を詰めることができたとしても、駒大が勝負をかけてくる3区、4区が第2のポイントになる。前回9区区間賞の田中貴章(4年)は今年も9区を走り、10区区間賞の山本憲二(4年)は当日の区間変更で7区での起用が濃厚だ。そうなると、当日の区間変更で3区に入ると思われる設楽悠太(2年)と、4区に起用された田口雅也(1年)がどこまで粘れるかだ。

 中でも設楽悠太は今年1万mで29分08秒39まで記録を伸ばし、ハーフマラソンでも62分35秒を出すまでに成長しているだけに、2区の兄・啓太とともにいい流れを作り出す可能性がある。そうなれば早大、駒大との差を最小限に抑え、柏原で決定的なアドバンテージを作り上げるレースができる可能性もある。

 東洋大の優勝は、4区までをどのくらいの差で抑えて柏原にタスキを託せるかの一点にかかっているといっていいだろう。

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