クロスカントリースキー・川除大輝、金メダルまでの道のり。北京でレジェンドから引き継いだ「エース」の称号 (4ページ目)

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • 吉村もと●写真 photo by Yoshimura Moto

【最終日まで続く戦い】

 川除は2日後の9日には、1.3kmのコースで競う男子スプリント・フリー立位にも出場した。タイムトライアルの予選で6位となり、ノックアウト方式の準決勝に進んだが、組4位に終わり、上位3人が進める決勝を逃した。最初の上りで海外選手にスキーを踏まれて転倒したことが響いたが、「自分の不注意。スプリントではよくあること」と切り替え、諦めることなく前を追った。

「(決勝を逃したのは)悔しいですが、今、持っている力は出しきれました。今までやってきたことは無駄ではなかったです」と前を向いた。最終順位は川除が7位、新田が8位だった。

「新田さんのようには(チームを)引っ張っていけないが、結果で引っ張り、支えてくれる皆さんに恩返しができたら」と話す川除はこのあと、12日に男子12.5kmフリーに出場予定で、13日にはミックスリレーが予定されている。「フリーは長い距離のレースで後半(の粘り)をしっかり生かせるレースをしたい。リレーはもし出場するなら、日本チームで挑む種目なので、しっかり貢献できるように頑張りたい」と意気込む。

 憧れの先輩から受け継いだエースの称号だが、川除ならではのスタイルで、新たなエース像を見せてくれるに違いない。

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