史上最年少でジュニア世界1位! 車いすテニス・小田凱人は「日本を背負っていく選手」 (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 9歳の時に左股関節に骨肉腫が見つかり、人工関節を入れる手術を受けた。短い距離なら歩いて移動できるが、長距離の場合は車いすを使用する。9カ月間の入院中に主治医の勧めもあってパラスポーツに関心を持ち、動画サイトで競技について調べていたという。そこで目に留まったのが、車いすテニスだった。

後藤智樹コーチとともに練習に励む後藤智樹コーチとともに練習に励む「最初にテニス車がめちゃくちゃ格好いいなと思いました。そこからロンドンパラリンピックのシングルス決勝の動画を観て、国枝(慎吾)さんの迫力あるプレーにビビッとききました。当時はテニスのことは何もわからなかったけれど、ワクワクする感じが他の競技と違ったんです。それで、退院後すぐに車いすテニスを始めました」

 自分と同じ9歳で車いす生活になり、車いすテニス界の絶対王者として世界トップに君臨する国枝は、当時も今もあこがれであり、目標とする存在だ。2019年の楽天オープンで小田は当時13歳ながら出場し、ダブルスで国枝と初めて対戦した。

 歯が立たなかったが、試合後、国枝は小田について「将来、日本を背負っていく選手になる」とコメントを残している。シングルスではまだ戦ったことがないが、対戦のイメージは常にしているといい、「実は一回、国枝さんが夢に出てきて、戦ったんですよ。夢の中では、僕が勝ちました!」と笑顔を見せる。

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