東京でメダル獲得を。車いすバスケ女子
日本代表の課題が明確になった

  • 斎藤寿子●取材・文・写真 text&photo by Saito Hisako

 これに対して岩佐HCはこう語った。

「相手が郁美や麻里を警戒してジャンプアップして出てくるのはわかっていました。そういう時にこそ、ローポインターの選手がピック&ロールで得点するというのは日本の強み。しっかりとシュートを決めてくれたローポインターはもちろんですが、相手を引き付けて、いいパスを供給したハイポインターが仕事をしてくれたなと」

 さらに第2Qに入ると、インサイドをケアしようとする相手に対し、今度は藤井、網本が競い合うかのようにミドルシュートを高確率で決めて、得点を重ね、イギリスに連勝して勢いに乗るカナダをリードして試合を折り返した。

 そのほか、イギリスとの第2戦では第4Q序盤に1点差に迫るなど、世界トップクラスの2カ国相手に、日本は勝負するステージにまで来ていることを示した。しかし、善戦止まりや逆転負けで、最も欲している勝利には一度も届かなかった。

 たしかに日本は着実に成長している。だが、海外勢もまた強化を図ってきている。その中で、近年は世界のステージにさえ上がっていない日本が、追いつくことはそう簡単なことではない。それでも、世界との距離は確実に縮まってきている。

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