全豪10度目優勝の国枝慎吾が「今がいちばん強い」と言える理由 (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 植原義晴●写真 photo by Uehara Yoshiharu

 ロッカールームに引き上げた時、国枝はトロフィーに刻まれた「2007 Shingo Kunieda JPN」の文字を眺めていたという。

「ずいぶん長いことやっているなと思って......」。

 2007年は彼が初めて全豪を制した年だ。その前年に初めて世界ランキング1位になっていた。

「この時は、その座を守るのに必死だった。これがあと何年続くのかと想像すると、10年は決して続かないだろうと思っていました。それが今年で14年目になるわけですから、我ながらよくやってるなと思います」

 2007年11月から3年にわたり、公式戦のシングルスで108連勝という前人未到の記録を打ち立てた。「世界のクニエダ」と称され、車いすテニスの枠を超え、スポーツ界で時の人となった。その後、右肘のケガなどで苦しむ時期があったが、「それを乗り越えた今が、キャリアのなかでいちばん強い」と言い切る。

「いちばん勝っていた当時の自分と戦ったら、苦戦はするでしょうが、今の自分が勝つと思います。地位に満足せずに自分の技術を磨き続けてきた結果だと捉えています。今月36歳になりますけど、年々自分のテニスはよくなっているし、37歳になっても、40歳になっても、今がベストだと言えるように努力を怠らずにやっていきたい」

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