過去最多の日本人4人が全米選手権出場。池崎大輔が2年連続MVP獲得 (3ページ目)

  • 斎藤寿子●取材・文・写真 text&photo by Saito Hisako

 今シーズン初めて米国でプレーしたのが、池だ。今大会では初戦で敗れたことが大きく響き、結果的にチームは5位となったものの、最後の5、6位決定戦で勝って終わることができたのは大きいと感じている。

 彼が所属するデモリッション(レイクショア)には今シーズン、代表クラスの選手は不在だった。そんな中、「池が来てくれたおかげで、より良いチームになった」とトミー・サリバンHCが語るように、日本代表のキャプテンを務める池の存在は大きく、チームに与えた影響は決して小さくはなかったはずだ。そして、それは技術的なことだけではない。

 池は自身の加入によってチームが「変わる」のではなく「成長できる」、そんな存在でありたいと考えていたという。だからこそ、どんなに劣勢な場面においても、チームメイトに声をかけ続け、そしてプレーでも鼓舞することを心掛けた。

 そんな熱いキャプテンシーを持つ池の存在が、チームメイトのマインドに変化をもたらした。あるチームメイトから送られてきたメッセージには、こう書かれてあったという。

"池と一緒にプレーすることでたくさんの学びがあった。おかげで、自分の目標はもっと大きなものに変わったよ"

 それまでミスをすると他人に責任転嫁することが多かった若手選手が、途中から「自分が悪い」と言って、課題解決に取り組むようになった。プレーにも変化が生じ、粘り強さが出てきたという。それは若手選手がミスをした時も、決して責めることなく「大丈夫。悪いのは自分だから」と言う池から学んだものだったに違いない。

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