水泳は『家族』。東京パラリンピックを目指す女子高生スイマーが急成長 (4ページ目)

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

 なかでも、自身の変化を感じたのはレース直前の招集所での過ごし方だ。以前は、「話しかけないでオーラがすごかった」と他選手から指摘されるほどガチガチだったが、最近は自ら積極的に話しかけたり、スマートフォンで動画を観て気分転換をしたり、「自分なりのリラックス術」を身につけた。

 また、昨年12月に開催されたアジアユース選手権大会では、同年代の選手が集うなか日本選手団の旗手に選ばれ、「チームを引っ張る責任感」も経験。出場した5種目すべてでメダル(金2、銀2、銅1)を手にし、結果でもチームをけん引し、大きな自信を得た。

 今は英会話も勉強中だ。海外選手ともっと話せれば、国際大会の招集所でもよりリラックスでき、さらなる成長にもつながるだろう。

 2019年の大勝負は、夏にマレーシアで行なわれる世界選手権になる。この大会でメダル圏内のレースができれば、大目標の2020年東京パラリンピックでのメダル獲得に向け、大きな自信になる。そのためにも、代表権獲得がまず第一歩だ。

 選考レースは3月の「2019春季記録会」。雰囲気にのまれていた過去は消し去り、「今度は私から空気をつくっていきたい。緊張感も楽しむことができれば、派遣標準記録も、自己記録も出せるはず」と言葉に力を込める。

 まだまだ成長途中の17歳。自身も周囲も、「これから」への期待感がふくらむばかりだ。

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