深く考える必要なし。車いすテニスの
田中愛美は自然体で勝利を飾る

  • 神 仁司●文・写真 text&photo by Ko Hitoshi

自分らしいテニスで今季最終戦に挑んだ田中愛美自分らしいテニスで今季最終戦に挑んだ田中愛美 車いすテニスプレーヤー・田中愛美(まなみ)の2018年シーズンが終了した。

 田中(国内ランキング3位、11月9日づけ/ブリヂストンスポーツアリーナ)は、今季最後の大会として、全日本選抜車いすテニスマスターズ(12月7~9日)に臨んだ。車いすテニスマスターズは、年間成績上位7名と推薦選手1名の計8名だけが出場を許され、日本のトッププレーヤーが集結する大会だ。

 田中は、ラウンドロビン(総当たり戦)を3戦全勝のグループ1位通過で決勝トーナメントに進出。

「自分の中で、大きく調子が崩れることはなかったです。今大会は、あまり守りに入り過ぎないで、自分のプレーをしっかりするという部分を、やり切ろうと思って入った大会だったので、その点に関しては、まぁまぁできていました」

 準決勝では、高校生プレーヤーの船水梓緒里(ふなみず しおり/5位/三菱商事)を6-2、6-1で破り、22歳の田中が18歳の若き挑戦者を退け、2年連続で決勝に進出した。

「いつも同世代の選手と戦うときは緊張してしまいます。(今大会、総当たりで戦った)高室(冴綺)選手(4位/スタートライン)には、前回負けていたので、かなり緊張しました。準決勝は、守っているだけではポイントが取れない。攻め切って勝たないと、今回の大会の意味がなかったので、そこは『自分のやりたいことをやるだけ』と考えていました」

 決勝では、大谷桃子(2位/スポーツクロマティ)に4-6、3-6で敗れ、惜しくも準優勝に終わり、初タイトルには手が届かなかった。だが、2018年シーズンでは、海外大会も含めてフルでツアーを転戦し、優勝3回、準優勝3回、車いすテニス世界ランキングを10位にまで上昇させて、世界のトップ10入りを果たした。

「今年は、丸1年通して、手ごたえを感じられた1年間だったんじゃないかと思います」

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