井上雄彦が語る車いすバスケ世界選手権。日本代表の闘いは一見の価値あり (3ページ目)

  • 井上雄彦●取材・文市川光治(スタジオ光)●構成・文名古桂士、伊藤真吾(X-1)●撮影・文

 48-48、とうとうスペインをとらえた。スペインは再びタイムアウト。残りは3分02秒。スペイン側の心理状態はどうだっただろう。ここであと一押し逆転までいっていればスペインの心は折れたのかも知れない。あくまで結果論だ。

 止むを得ず取ったタイムアウトだが、これが効いた。スペインはまだ同点だと一息つくことができた。日本は奇跡的な追撃で同点にしたことで一息ついてしまった。

 最終スコアは52-50でスペインが逃げ切った。

 その後に行われた順位決定戦で日本はオランダに55-54で競り勝ち、9位で終えた。

 目標にしていた世界のベスト4は叶わなかった。しかし、その目標が手の届くところまで来たことを、日本代表は示してみせた。

 まだ見ていない人もために言っておきたい。彼らの闘い、一見の価値ありである。

(おわり)

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