2018.11.23

車いすバスケU23。課題山積みも
新戦力の躍動でチーム力UPに期待

  • 斎藤寿子●取材・文 text by Saito Hisako
  • photo by X-1

 京谷HCも「彼はミーティングで言われたことをコートでちゃんと表現できる選手。例えばスペースを取るために、まずはベースラインまで一度走るということもきっちりとやってくれた。些細なことですが、そういうことができる選手というのはチームにおいて非常に大きい」と高く評価した。

 昨年12月の合宿からU23育成メンバーに加わった20歳の北風は、最も競技歴が短いながら、すでにセンスの高さをうかがわせている。予選リーグのタイ戦では2本のシュートを決めたが、アシスト能力にも長(た)けている。最も印象的だったのは、3位決定戦でのワンシーンだ。

 4Q残り3分、北風はゴール下へと飛び込み、キャプテン緋田からパスを受けた。すると、相手の注意が北風に向いたその隙に、すぐさま左サイドでフリーだった緋田に再びボールを戻したのだ。小学1年から高校3年までサッカー部に所属していた北風。「サッカーでやっていたワンタッチパスをイメージした」というそれは、ピタリと緋田の両手に収まる最高のアシストパスだった。

「今大会、同部屋のタカさん(緋田)にはとてもお世話になっていて、僕が体調を崩した時には迷惑もかけてしまったんです。そのタカさんにまだゴールが生まれていなかったということもあって、自分のアシストでシュートを決めてくれたのは、とてもうれしかったです」

 同じサッカー出身者で元Jリーガーの京谷HCも「スペースの取り方やタイミングの測り方など、いい感覚を持っている選手」と期待を寄せた。

 課題も多く浮き彫りとなった今大会だが、若手にとっては今後への貴重な経験となったはずだ。彼らのレベルアップが日本全体の競争を激化させ、ひいては東京パラリンピックで金メダルを目指す日本代表の底上げにつながる。

関連記事