車いすバスケ、いつもと違う世界9位。最終戦で新しい強さを見せる (4ページ目)

  • 斎藤寿子●取材・文 text by Saito Hisako
  • 越智貴雄●写真 photo by Ochi Takao

 思い出されるのは"全員バスケ"に舵を切るきっかけとなった4年前の世界選手権での及川HCのこんな言葉だ。

「最も大事な4Qで、チームが"逃げ切る力""追いつく力"が残っているかどうか。これが勝敗を決めるんだなと。そのためには、固定したメンバーに頼るのではなく、12人全員で負担をシェアし、4Qに力を発揮できる状態にもっていくこと。それがこれから日本が克服しなければならない課題です」

 4年という歳月をかけて、日本は今、「勝ち切る」強さを持つチームへと変わりつつある。そんなところからも、今大会はこれまでの「9位」とは違う意味を持つことは明らかだ。

「常に結果が問われているのが代表。ただ、今回の9位という結果をどう評価するかは、我々にはどうすることもできない。ただ、自分たちは下を向く必要はないと思っています。東京に向けての世界の流れの中に、日本もしっかりと乗ることができている。結果を出せなかったことは真摯に受け止めつつ、次に向かうエネルギーにしたいと思っています」

 2020年まで、あと2年。チームは何があっても、成長の歩みを止めるつもりはない。それが"本番"でのメダルにつながると信じて――。

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