ゴールボール男子日本代表、メダルを狙った世界選手権で無念の9位 (4ページ目)

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • photo by JAPAN GOALBALL ASSOCIATION ICHIKAWA RYO

 そうした経験はセンターとしての対応力の幅を確実に広げて、手応えもあったなかで迎えたのが今回の世界選手権だった。

 だからこそ、「予選敗退という結果は悔しい。初戦から3勝できたことは自信になったが、まだまだ課題が多かった」と川嶋。例えば、決勝トーナメントがかかったアメリカ戦での大敗について、「僕も、チームもかなり緊張していたが、アメリカからは(勝利への)強い気迫が感じられた。大事な試合でパフォーマンスをしっかり発揮するメンタルも身につける必要がある」

 また、今大会は3戦目で突き指をしてしまい、大事をとって次戦の後半はベンチに下がったことも、「ひとりで乗り切る覚悟でトレーニングをしてきたのに」と、悔やむ。「手応えのあった部分は伸ばし、課題は克服したい。今後も機会があれば、海外にも出ていくし、どんな努力だってしたい。信頼されるセンターとして、もっと強くなる」

 男子のボールは、トップ選手になると時速70kmにも達し、投げ出しから守備に届くまで最速0.5秒ほどと速い。また、多彩なバウンドボールが世界の主流になるなど、守備がますます難しくなるなか、2020年にパラリンピック初出場で世界を驚かしたい男子日本チームにとって、センター川嶋の進化は不可欠だ。

 今大会で味わった悔しさを、さらなる成長への糧にする。

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