平昌パラで毅然と裁く、パラアイスホッケーの日本人レフェリー (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • photo by Photo Service One/Uehara Yoshiharu

 日本では16年の世界選手権B(苫小牧)でレフェリーを務めた。その実績が認められ、昨年4月の世界選手権A(韓国)にも選ばれた。このときは結局、スケジュールの都合で参加はできなかったが、最終的にIPCパラアイスホッケー委員会から平昌大会へのオファーが届いた。今年1月、パラに出場する4カ国が集結した国際大会(長野)にも参加している。

 スレッジ(そり)に乗ってプレーするパラアイスホッケーは、選手と審判の視線の高さが異なる。氷に近い位置でのプレーゆえ死角が多く、またスレッジにパックが隠れてしまうなど、判定のために細かな注意力が要求される。審判が足元をすくわれることも少なくない。

 また、パラアイスホッケー独自の反則で、パックを持つ相手選手にチェックに行くときに、自分のスレッジの先端を相手選手のスレッジの側面に垂直に当てる「ティーイング」がある。

「パラアイスホッケーでは、自分のポジショニングがより大事になってくると思います。ラインズマンとのコミュニケーションを密にして、絶対にミスジャッジしないよう心掛けています。日本や韓国のレフェリーは英語がネックになりがちですが、そこだけは自信がありますので」

 パラリンピックが始まる前に、一度アメリカでパラアイスホッケーのリーグ戦の審判をしてきたという。

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