パラスノーボードの王者
エヴァン・ストロングが成田緑夢と平昌を語る

  • 瀬長あすか●取材・文 text by Senaga Asuka
  • 村上庄吾●写真 photo by Murakami Shogo

成田 僕は、エヴァンを見て「速い!」とは思わなかった......なんていうのは冗談ですが(笑)。戦ったのはスノーボードクロスだったんですけど、「パラリンピックの優勝者と戦う」というワクワク感もあったからか、ものすごくいいレースができたんです。そのアメリカの大会ではエヴァンと何度か対戦したのですが、どれも接戦で。決勝では勝つことができたけど、やはり王者は速いなと思いました。エヴァンと一緒にレースできて、僕は本当にうれしかったです。

エヴァン それならよかったよ。スピードのある選手と対戦するのは、僕にとってもエキサイティングなこと。スピードがスピードを生み、いいレースをすることができるからね。今では、グリムがワールドカップのタイトルを手にするようになり、ライバルと呼ぶべき存在になったけど、グリムの存在が最終的に自分にもいい影響をもたらすと思っているよ。グリムが速く滑れば、僕も速くなれる。簡単に倒せるような相手なら、僕はきっとこんなにたくさん努力していないよ。

――3月9日から、いよいよ平昌パラリンピックが始まります。

成田 ぜひパラリンピックの舞台でエヴァンと対戦したいですね。スノーボードクロスは予選のタイムでトーナメントの振り分けが決まるのですが、お互い速く滑ってトップ2になれれば、トーナメントのいちばん対極にある位置に振り分けられ、決勝で当たることになります。そうなったら、途中で負けたらエヴァンと対戦できないし、必ず勝ち上がりたいですね。

エヴァン 始まってみないと、どんな組み合わせになるのかわからないんだ......でも、それがスノーボード競技のおもしろさでもある。だから、僕たちがファイナルで会えたら、それは素晴らしいことだね。だって早い段階で当たってしまうと、どちらかにしかメダルは与えられないわけだから。

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