シンプルだけど奥深い、
パラスポーツ「ボッチャ」の魅力は生観戦で

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • photo by Murakami Shogo(人物)、 AFLO SPORT(競技)

 そんな奥深いボッチャの、世界クラスのプレーを堪能できる大会が、まもなく東京で開かれる。「2017ジャパンパラボッチャ競技大会」で、11月18日(土)から19日(日)まで武蔵野総合体育館(東京都武蔵野市)で行なわれる。ジャパンパラ大会は、日本代表の国際競技力強化を目的に海外の強豪国を招いている。ボッチャでは今回が初開催となり、リオのチーム戦金メダルのタイと古豪イギリスが初来日する。

 ボッチャでは男女の区別はなく、選手は障がいの内容や程度に応じて4クラス(BC1~4)に分かれて競う。各クラスの個人戦に、ペア戦(各BC3、BC4)と3人1組のチーム戦(BC1とBC2の混合)があるが、今大会はチーム戦とペア戦のみが実施される。最新の世界ランキングではタイが日本より上位だが、今年10月に行なわれたワールドオープン・バンコク大会のチーム戦では、日本が王者タイを準決勝で下し、金メダルを獲得するなど、実力は伯仲している。今回もレベルの高い熱戦が期待できそうだ。

 日本代表では今大会、緻密な杉村英孝、パワフルな廣瀬隆喜らリオのメダリストに加え、急成長を見せる若手2選手にも注目したい。ひとりはチーム戦メンバーで、19歳の中村拓海(たくみ)。アシスタントのサポートが受けられるBC1クラスだが、技の幅が広くパワーもあり、初代表となったバンコク大会での金メダル獲得に大きく貢献。

 ひとりは、BC4ペア戦に出場予定の江崎駿(えさき・しゅん)だ。まだ16歳の高校生だが、8月に行なわれた特別支援学校を対象にした全国大会、「ボッチャ甲子園」で、リーダーとしてチームを準優勝に導いた。両選手とも強豪国との対戦で多くを学び、さらなる成長を期待したい。

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