平昌への死闘。パラアイスホッケー日本代表が
存亡をかけ最終予選に挑む

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 司令塔・高橋和廣(東京アイスバーンズ)のゲームコントロールにも注目したい。セカンドセットでは、これまでディフェンスを担ってきた三澤英司(北海道ベアーズ)をフォワードで起用することも、中北監督は明言している。三澤はもともとフォワード経験が豊富なユーティリティープレーヤーだ。三澤自身も「僕はフォワードがやりたかったので問題ない」と力強くコメントしており、調整合宿でベテランの吉川守(長野サンダーバーズ)、安中幹雄(東京アイスバーンズ)らとのコンビネーションに磨きをかけている。

 今回の代表メンバー17名のうち、エースの熊谷を含め、約半数の8名がまだパラリンピックの舞台を経験していない。GKの望月和哉(長野サンダーバーズ)や、サードセットで存在感を見せつつあるFWの児玉直、南雲啓佑(ともに東京アイスバーンズ)ら、若手選手の奮起と成長にも期待したいところだ。

 中北監督が取材の間にポロリとこぼした言葉が、印象深い。

「パラリンピックは本当に特別で、素晴らしい場所。なんとしても、(彼らをパラリンピックに)連れて行ってやりたいんだよね......」

 背水の陣で挑む日本代表。この4年間、いやバンクーバーから7年間の思いのすべてを、スウェーデンでの6日間に注ぎ込む。

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