平昌への死闘。パラアイスホッケー日本代表が存亡をかけ最終予選に挑む (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 日本代表はすでに現地入りし、時差調整も兼ねて合宿を行なっている。実はこの練習には、以前から交流のある盟友・ノルウェーから招待した5選手が参加している。「ノルウェー側には、若くてスピードのある選手、頭のよい選手をそろえてほしいとリクエストした」と中北浩仁(こうじん)監督。対戦相手を想定した練習というよりも、日本が9日の初日にきっちり調子を合わせるための作戦だ。

 大会前最後の国際試合となった8月のイタリア遠征では、3試合を行ない、初戦黒星、2試合目は同点からのゲームウイニングショット(GWS)で敗れ、3試合目は同じくGWSで勝利、という結果だった。プレータイムの多くをオフェンスゾーンで展開できており、それも踏まえ、須藤は「最終予選は、とにかく初戦の入り方と、早い段階での得点が鍵になる」と言い切る。

 一時戦列を離れていた、バンクーバー大会準優勝メンバーのDF中村稔幸(長野サンダーバーズ)とFW上原大祐(東京アイスバーンズ)も最終予選に向けて復帰。日本は得点力不足が課題であることから、上原の持ち前のホッケーセンスとシュート力に期待が集まる。ファーストセットで上原と組むエース・熊谷昌治(長野サンダーバーズ)は、「(上原が加わったことで)これまでのように僕が得点を取らなくては、という焦りが軽減され、気持ちのゆとりができる」と話している。

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