リオパラ50m自由形銅メダルの山田拓朗は「片手バタフライ」も挑戦 (4ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 佐山篤●写真 photo by Sayama Atsushi

 9月30日には世界選手権が開幕する予定だった。会場のメキシコシティは、標高2250mにあり、高地の大会は初めての山田は、前途の通り、リオの50m自由形では息継ぎ1回で泳ぎ切ったが、「(酸素が薄い)高地では2回でも行けないかもしれません」と話していた。一方で呼吸数が増えると一気にスピードが落ちるため若干不利なところはあるかもしれないというが、「(同時にエントリーしている)100mバタフライは状態がいいです。片手バタフライは体力もかなりセーブして泳げる方だと思いますし、確実に決勝で戦える力がついてきたので、そっちは逆に楽しみですね」とと意欲を見せていたが、メキシコ地震により大会は延期となってしまった。

 リオから帰国後、ホテルやコンビニなどで声をかけられることが増えたという山田。「憧れなんです、という子どもが多かったです。モチベーションになりますよね」と笑顔を見せる。17年前の自分がそうだったように、いま、自分のメダルに目を輝かせる子どもたちがいる。

「僕の泳ぎを見て、何かを感じ取ってもらいたい。そんなパフォーマンスが発揮できるよう、トレーニングを頑張りたいなと思っています」

 日本屈指の隻腕(せきわん)スプリンターは、これからもひたむきに自分の泳ぎを追求していく。

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