東京の新種目パラバドミントンで
金メダルを狙う。正垣源の頭脳と身体

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 佐山篤●写真 photo by Sayama Atsushi

 幼いころから活発だったという正垣。三浦知良選手に憧れ、小学1年時の将来の夢は「サッカー選手になること」で、中学時代はサッカー部で汗を流した。バドミントンを始めたのは高校からだ。「地元は中学にバドミントン部がない地域だったんです。でも中学時代のサッカー部の1学年先輩が高校でバドミントンを始めて、いきなりダブルスで優勝していて。スタートラインはみんな同じなので、僕にもできるかもと思って入部しました」と、当時のことを振り返る。

 最初はシャトルがラケットに当たる感覚が楽しかった。真面目に素振りに取り組み、フットワークをマスターすると、次第に競技の奥深さや面白さにのめり込んでいった。国立大進学を目指し、バドミントンは高校で終えるつもりだったが、高校3年の大会は阪神大会でベスト16止まりと、納得いく成績が残せなかった。

「追求したら、もっとうまくやれるんじゃないか」

 そう考えた正垣は、一転、進学した神戸大でも体育会バドミントン部に籍を置き、競技を続けることに決めた。

 パラバドミントンとの出会いは、大学2年のとき。地元の障がい者バドミントンチーム・神戸風見鶏B.Cの関係者に声をかけられ、初めてその存在を知ったという。2009年の日本障害者バドミントン選手権大会に出場すると、2位になった。

3 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る