平昌に出られるのか。パラアイスホッケー日本代表の運命をかけた戦い (2ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 キャプテンの須藤悟は、「パラアイスホッケーは本当に素晴らしいスポーツ。でも、このままだとこの国からこの競技がなくなる可能性だってある。それだけは避けなければ。2大会連続でパラリンピック出場を逃すことは、絶対に許されない」と、強い口調でこれまでにない危機感をあらわにしている。

 崖っぷちの状態で迎えた今季、日本は最終予選突破を使命に掲げる。海外在住の中北浩仁監督不在の間は、代表合宿で高橋泰彦、町井清両アシスタントコーチに加え、今年5月からは、元男子日本代表GKで、かつて女子日本代表監督を務めた信田憲司氏がコーチとしてチームをサポートしている。当初はGKのみの指導に当たっていたが、今ではスタッフや旧知の仲である中北監督とコミュニケーションを取りながら、自身の多彩な経験と豊富な知識をもとにチームの再構築に力を注ぐ。

 信田コーチは、守りから試合を作る「ディフェンスファースト」のスタイルだ。世界に目を移すと、どのチームもディフェンシブで、須藤も「これが世界のスタンダードになっている」と言う。実力が図抜けているカナダとアメリカ以外のチーム、とくに下位チームは力が接近しており、最終予選においても、日本の守りを重視したシステムが機能し、イージーミスが減れば、勝機があるとみている。

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