「転向者さん、大歓迎」。夢への扉を開く。パラアスリート発掘事業 (2ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu
  • photo by Press Association/AFLO (山崎晃裕選手)

 では、この選手発掘事業とはどんなものなのか。また参加者はどんな思いで競技転向を考えているのだろうか。7月17日に大阪市の長居障がい者スポーツセンターで開かれた、日本パラリンピック委員会(JPC)選手発掘事業「"競技転向・新たな挑戦"ねらえ東京パラリンピック」を取材し、集まった人々の声を聞いた。

 JPCの同事業は2014年から始まり、今年で4年目を迎える。今回の参加対象は、東京パラリンピックでメダルを獲得したいという意欲のある、現在競技スポーツに取り組んでいる障がいのある人で、全国から30名を超える応募があった。日本パラ陸上競技連盟や日本視覚障害者柔道連盟など13の競技団体がブースを設け、有望なパラアスリート獲得に向け、参加者に熱い視線を送っていた。

 「昨年のリオパラリンピックでは、計24個のメダルを獲得したものの、金メダルは1964年東京大会以降で初めてゼロとなった。どの競技団体も"即戦力"となりうる人材確保が使命となっている」と語るのは、JPCの高橋秀文副委員長。参加者のポテンシャルを見る目安とするべく、午前中には基礎体力を測る本格的な体力測定を実施し、JPCの医科学情報サポートスタッフらがチェックを担うなど体制を整えた。実際に高い持久力を見せた参加者には、早速パラ陸連のクラス委員が声をかける場面もあり、その真剣さがうかがえる。

2 / 4

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る