リオ2冠王者を破り、パラ陸上の佐藤友祈が東京につながる金メダル2個 (2ページ目)

  • 星野恭子●取材・文 text by Hoshino Kyoko
  • photo by AFLO

 迎えた決勝では、マーティンが定評あるスタートダッシュで飛び出し、佐藤が後から追った。200mでマーティンを捉え後ろにつけると、ホームストレートに入ってから自ら仕掛けてラストスパート。全力を振り絞り、ひと漕ぎ、ひと漕ぎを大きく、残り50mで一気に抜き去ると、そのままゴールに飛び込んだ。

「スタートで出遅れてきつかったが、リオのときより早い地点でマーティン選手を捉えることができた。とにかく全力で漕ぎ続けた」とレースを振り返った佐藤の表情は充実感に満ちていた。

 前々日の1500mレースも、先行したマーティンを佐藤が追う展開だった。佐藤は手にも障害があり、スタートでの加速が課題で、リオではマーティンの爆発力に屈した。リオ以降、佐藤はスタートダッシュを第一の課題に挙げ、この10カ月、必死に強化をはかってきた。

 その成果が狙ったレースで現れた。リオでは先行するマーティンを捉えたのは600~700mあたりだったが、今回は約300m地点。タイミングを図りながら、残り1周でギアを変え、先頭に立つと、追いすがるマーティンを置き去りにしてフィニッシュした。

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