東京パラ、そして別次元へ。パラサイクリングの藤田征樹が目指すもの (6ページ目)

  • 大地功一●取材・文・写真 text&photo by Oochi Koichi

 それゆえ、冒頭で触れた「全日本学生選手権 第29回 全日本学生個人ロードタイムトライアル自転車競技大会」の出場である。5年前から普及の部で出場しており昨年は優勝。今年は大学トップの選手が参戦する選手権の部(オープン出場)にエントリーした。

※普及の部よりもレベルが高く、日本国内競技登録者であれば、日本学生自転車競技連盟が認めた場合、オープン参加が可能となる。

 結果は19位。「上位の選手はやはり強く、現時点での力の差が出た。全く敵わないわけではなく、これからもどんどん詰めていける差だと思っています」

「パラリンピック選手の藤田」から「自転車選手の藤田」として多くの人に見てもらいたいという。別次元の高みを目指すからこそ、東京での"野望実現"が現実味を帯びている気がしてならない。

【プロフィール】
藤田征樹(ふじた まさき)
1985年1月生まれ。北海道稚内市出身。
高校まで陸上競技を行ない、大学入学後はトライアスロン部に所属したが、事故により両下脚を切断した。その2年後には、義足でトライアスロン大会に参加し、見事完走。トライアスロン強化の一環として出場した自転車の大会がきっかけとなり、本格的に自転車競技に取り組み始めた。パラリンピック3大会連続メダル獲得。2009年、2015年に世界選手権優勝。

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