コートに帰ってきた国枝慎吾
「東京パラより、まずグランドスラム」

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

―― 大きなゴールは2020年東京パラリンピックだと思いますが、いま目の前にあるチャレンジを支えているものは何ですか?

国枝 パラリンピックの選手として東京は価値があるけれど、テニス選手としてはグランドスラムに出たい気持ちが強いです。33歳なので、1年1年が勝負の年になってくる。東京パラまでは3年。ゆっくり構えられるところはあっていいんですが、モチベーションとしては遠すぎる。そういう意味では、グランドスラムに復帰したいという気持ちの方がモチベーションとしては強いです。

―― どの大会をイメージしていますか?

国枝 全米オープンを視野に入れていますが、まあ今大会の出来を見るとなかなか......。もしかすると、どこかでハッと気づきがあって、コツを掴む可能性も十分あるだろうし、一方でベストフォームに戻るまでにまた長くなるかもしれないなというのもあるし。「うわー、自分強いな!」って思える瞬間がいつになるかはまだ読めないところはあります。自分の中の理想とするフォームのビジョンはありますけどね。

―― グランドスラムの前哨戦になりそうなのが、5月のジャパンオープンです。とくに男子は世界ランキング1~8位まで全員がエントリーしています(グランドスラムの車いすの部は8選手のみが出場)。

国枝 そうなんですよね。「なんだよ、俺が(世界ランク)11位のときに限って来るのかよ!」って(笑)。いつも多くて5人くらいなのに、「どうした!? 国枝つぶしか」って感じですよね(笑)。

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