コートに帰ってきた国枝慎吾「東京パラより、まずグランドスラム」 (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

―― 用具類はどんな工夫を?

国枝 ラケットやガットのテンションを変えたり、身体のバランスの安定性を求めて、脚の外側が当たるテニス車の部分に長さを出したり、いろいろお試し中です。今は本当に1週間ごとに新しい自分の打点が出てくる感じですね。ただ、もう1回痛みがぶり返しちゃうと、メンタル的にキツイところがある。そこだけ細心の注意を払って、1日1日を無事に過ごすということを、ここ3週間くらいは感じているところですね。

―― 新たな自分の発見を喜ぶのか、乗り越えるという気持ちが強いのか、どちらでしょう?

国枝 両方ですね。何かを改造するということは、やっぱりやりがいがありますし、打球の質が違うというのは楽しみなところですね。1年半くらいこの肘の問題を抱えているので、間違った打ち方をすると痛みが出るかもという怖さはありますが、こうやって打法を変えたりすることで十分改善できる。ここ1カ月くらいは、その手ごたえを感じています。

―― 復帰プランのここまでの感触は?

国枝 いいスタートが切れたと思います。今は、例えば「100m走で5mくらいまでとりあえずつまずかずに走れたな」という感じです。そんなに焦ってはなくて、8月くらいに本調子になってくるといいかなと。最終的に12月あたりに「何ともないです」と言える状態ならいいんじゃないかなと思っています。1年間を元気よく戦う、まずはそこが目標かな。

3 / 5

厳選ピックアップ

キーワード

このページのトップに戻る