ウィルチェアーラグビー悲願のメダル獲得も、
すでに思いは4年後へ

  • 宮崎俊哉●文 text by Miyazaki Toshiya
  • photo by AFLO SPORTS

 そして、リオに向けて出発する日、「ロンドンの悔しさをバネに4年間やってきた。今までの自分と違うところを見せる」とエース池崎は誓い、池は「自分たちのパフォーマンスで"魅せるウィルチェアーラグビー"ができたら、その先に金メダルがついてくる」と自信を示した。

 日本はスウェーデンとの初戦、池、池崎、乗松聖矢、岸光太郎のセカンドラインが先発。池・池コンビが力の差を見せつけ、最年少・26歳の乗松が攻守に活躍した。第1ピリオド14-8とリードを奪うと、その後は目まぐるしくメンバーチェンジ。池、池崎、若山英史、今井友明のファーストラインだけでなく、バリエーションの豊富さで勝負し、50-46で勝つ。それでも、キャプテン池は第3ピリオドで1ポイント、第4ピリオドで2ポイント、相手に多く得点されたことを「コミュニケーション不足」と反省した。

『試合で見つかった課題を次の試合までにしっかり修正する』

 日本史上最強と評されるチームの強さの源はその対応力にある。そのことを証明してみせたのが、フランスとの予選第2戦だった。池、池崎に加えてベテラン島川慎一が得点を重ねる一方、比較的障害の軽い仲里進が敵ボールを奪い、障がいの重いローポインター若山、今井、岸らが壁となって相手の攻撃を阻み、味方のコースを創出。チーム一丸となってフランスを翻弄し続け、57-52で圧勝。準決勝進出を決めた。

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