53歳、短距離界のパイオニア。永尾嘉章が挑んだ7度目のパラリンピック (4ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 吉村もと/MAスポーツ●写真 photo by Yoshimura Moto/MA SPORTS

「走ることは、生きること」

 そう言ってきた永尾の2大会ぶり7度目の大舞台が終わった。「悔しい、悔しいと言い続けて練習して、気が付いたら53歳。本当に人生そのものやね。今はホッとするのと、悔しいのと、ちょっとした達成感と。いろんな気持ちが混ざってる。でもこんな気持ちはなかなか経験できるもんじゃないからね。日本の若い選手に、ぜひこのパラリンピックという舞台を経験してほしい。僕は本当に、陸上をやってきてよかったです」

 これで、ひとまず「無期限休養」に入るという永尾。リオで感じた「悔しさ」に、またいつか火がつくかもしれないが、それはまた別の話。日本の陸上界に、そしてパラリンピックにその名を刻んだ男に、今は素直に拍手を送りたい。

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