国枝慎吾、史上初のパラ3連覇へ。
苦境の中でも「自分の力を信じる」

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • photo by Ito Shingo/AFLO SPORT

 丸山弘道コーチによると、7月中旬から段階的にテニスを再開し、「8月を過ぎてから、回復のトレーニングではなく、少し強化がかった練習ができるようになった。十分ではないが、テニスとしてまとまってきた状態」といい、調子が上向きであることをうかがわせた。

 現状の確認と調整を兼ねて、先月22日に国枝はカナダのトロントに飛び、バーミンガム・クラシック(ITF1シリーズ/8月25日~28日)に出場。男子シングルスのエントリーは12名という規模ではあったが、すべての試合でストレート勝ちし、優勝した。国枝は第1シードで、自分よりランキング上位の選手との対戦はなかったものの、全仏オープン以来となる実戦で最後まで勝ち抜いたことに意味があったはずだ。

「ようやくリオの舞台にたどり着けそう。僕自身、まだ自分の可能性を信じています」

 トロントに出発する際に、報道陣の前でこう語っていた国枝。テニス人生最大の試練に立ち向かい、リオへと続く道の扉を力強く開けたその先に待っているものとは――。

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