日本唯一の団体金メダル。ゴールボール女子はリオパラで再び輝くか (2ページ目)

  • 瀬長あすか●取材・文 text by Senaga Asuka
  • photo by AFLO SPORT

 リオを目前に控えたゴールボール女子日本代表チームは、7月22日から24日まで、東京・足立区総合スポーツセンターで行なわれた国際強化試合「2016 ジャパンパラゴールボール競技大会」に出場した。リオの初戦で対戦するイスラエルも来日。データ収集を最優先事項として挑んだ日本A(今大会は若手を中心とする日本Bも出場)は、決勝こそ2-3で敗れたものの、総当たり2回の予選ラウンドでは5-0、2-1で2連勝。

「今の時期に、パワーのあるバウンドボールを受けられてよかった」と選手たちは声をそろえた。

 引退していた小宮も今大会から国際大会にカムバック。安達、浦田、小宮のロンドンパラ決勝メンバー3人が先発に顔をそろえると、余裕の表情を見せる女王たちの風格が会場内に漂う。

 ベテラン選手たちのたくましさを感じさせた日本チーム。だが、金メダルチームのここまでの道は決して平坦なものではなかった。

 ロンドン後、ゴールボールの国際大会で使用される球が、従来のものからバウンドしやすいヨーロッパ製のボールに変わり、さらに世界各国の競技力も向上。パワーのある海外勢は、コート上に強く叩きつけて弾ませる、バウンドボールを多用してくるようになった。ゴールボールのディフェンスは、体を寝かせた状態で全身を使ってボールを止めるが、日本人のコンパクトな体型で跳ねるボールを止めるのは至難の技。守備の要で情報分析を得意とする浦田も「50cmの高さなのか、70cmまで来るのかを音で見極め、足の高さを決めているけれど、まだ100パーセントの完成度ではない」とその苦労を口にする。

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