悲願のメダル獲得へ。ウィルチェアーラグビー、怒涛の合宿&残り3カ月で克服すべき課題 (3ページ目)

  • 宮崎俊哉●取材・文 Miyazaki Toshiya
  • 加藤よしお●写真 photo by Kato Yoshio

 体幹が機能し、コートを自由に動き回れる池崎と池には、スピードを生かした攻撃、ロングスローやキャッチング、相手の動きを一発で仕留めるタックルなど、縦横無尽、獅子奮迅の働きが求められるが、ローポインター2人にも相手の走路を妨害し、ハイポインターの走路を作り出すという重要なミッションがある。

 また、池崎、池を休ませるため、どちらかと同じ3.0点のベテラン島川慎一が組むラインや、1.0点の選手2人ではなく1.5点と0.5点の選手を組み合わせるラインもある。相手の陣形、キープレーヤーのレベルや人数に合わせるとともに、長丁場の戦いとなるパラリンピックではバリエーションを増やすことも必要となる。

 そのためには、チームとしてメンバー全員がフィジカル面をさらに強化し、一段とレベルを上げなくてはならない。ウィルチェアーラグビーにレギュラーと補欠はいない。ベンチ入りした12名全員の総力戦だ。

「今大会、一番の収穫は4位に終わったということ。この悔しさをバネに自分たちは成長のスピードを上げ、強くなる」
 
 正確なロングパスで何度もチャンスをメイクし、自ら猛スピードでゴールラインに突進して得点をあげた池が、仲間を代表するように固い決意を述べる。パラリンピック4大会連続出場となる島川は、今のチーム状況を次のように説明した。

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