【視覚障害者柔道】リオ代表内定。北薗新光が3階級減量で2度目のパラ出場へ (4ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文 text by Araki Miharu
  • 吉村もと/MAスポーツ●写真 photo by Yoshimura Moto/MA SPORTS

 そのハードルを乗り越えられたのは、周囲のサポートがあったからだと、北薗は言う。厳しい食事制限は妻の協力で継続できている。また、現在は会社の支援を受け、柔道に集中する恵まれた環境がある。そして毎日の稽古では、兵庫県警機動隊の隊員たちとともに汗を流す。そこでは全国警察柔道大会の優勝メンバーで、国際柔道大会にも出場経験がある隊員から指導を受けており、柔道の技と心を学んでいるという。

「機動隊の方々は本当に強くて、僕は全然勝てません。でも、これまで自信があったところでさえもっと鍛えないと、と思えるし、勝てないところでやることに意味があると感じています」

 稽古で教わった通り、どんな状況でも技をかけたら最後まで諦めないことが信条だ。その成果を今回の試合で出すことができ、手ごたえを感じている。リオについては、「好成績を残すことが、お世話になった人たち、そしてライバルたちへの恩返しになる。自分だけではなく、そういう人たちの気持ちを持ってやりたい」と話す。

 9月の本番に向けてさらに柔の道を追求していく。

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