【車いすテニス】国枝に続け! リオでメダルを狙う眞田卓の挑戦 (3ページ目)

  • 荒木美晴●取材・文・写真 text&photo by Araki Miharu

 さらに言えば、来年のリオデジャネイロパラリンピックで表彰台に立つためには、組み合わせが有利になるシードに入っていたいところ。トーナメントのシードはパラリンピック1週間前の大会までが選考対象になると思われ、やはりグランドスラムに出場し、世界ランキング4位につけておきたいところだ。

 このように、2015年の最終戦でありながら、パラリンピックシーズンを占う意味でも重要な"スタート"となる今年の世界マスターズ。「(予選)ラウンドロビンで2勝して決勝トーナメントに進む」。明確になったビジョンに向け、追いこむつもりだ。

 眞田は、世界でもトップクラスの威力と重さを持つフォアハンドが武器。より理想のパフォーマンスを引き出すため、今シーズンは5月のジャパンオープン後からこれまで上半身に頼っていた動きを、体幹を鍛えて足腰まで使うプレースタイルにシフト。切断している右足も左足と同じように踏ん張れるよう、筋力トレーニングに励み、それに合わせて車いすの座面部分のセッティングも変更した。車いすが選手の『脚』となるスポーツだけに、ほんの少しでも調整を間違えばパフォーマンスが落ちるリスクもある。それでも、眞田はチャレンジし続ける。

「私の座右の銘は"現状打破"。常にそれを心掛けています。今日のセッティングのフィーリングがすごく良くても、明日は変えます。今の自分に、明日の自分は勝たないといけないからです。失敗だったと思うことがあっても、試行錯誤しながらいいと思ったことに取り組んでいきます」

 眞田はこう続ける。

「まだまだ自分のものになっていないという感覚があるので、ここが伸びしろなのでは。来年の全豪オープンやリオにつなげられればと思っています」

 国枝も「リオでの活躍が期待できる選手のひとり」と太鼓判を押す。今後のさらなる飛躍に注目したい。

連載【盛りあげよう!東京パラリンピック2020】
2020年東京パラリンピックを盛り上げ、楽しむために、これから何を準備すべきか、多くの人の言葉から探っていく。
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