リオパラ前哨戦。「もうひとつの世界陸上」に挑む日本選手たち (2ページ目)

  • 星野恭子●文 text by Hoshino Kyoko
  • 越智貴雄●写真 photo by Ochi Takao

 メダルの期待を背負うひとりは、義足のジャンパー、中西麻耶(30歳/大分身体障害者陸上競技協会)だ。2大会連続パラリンピアンで、現在、走り幅跳び女子T44クラス(片下腿切断など)の日本記録保持者(5m27)。今大会ではあと21cmに迫った世界記録(5m48)の更新も期待されている。

 12年ロンドン・パラリンピック8位入賞以降、一度は引退を表明したが、拠点を地元大分県に移し13年春から再始動。新たなコーチに師事し、調子を徐々に取り戻すなか、昨年秋、現日本記録をマークした。

 今年9月の世界選手権前最後の公式戦では優勝したものの、記録は4m91と少し物足りなかったが、「体の調子はよく、ジャンプの感触も悪くない。今日は踏み切りで足を置きにいってしまったが、(世界選手権まで)あと1カ月あれば修正できると思う」と笑顔だった。

 実は競技歴7年にして、世界選手権は初出場となる。これまでは遠征費などの問題もあり、出場がかなわなかったが、それだけに今大会にかける思いは強い。

「ワクワクしています。きっちり準備して安定感のあるジャンプをし、(出場)枠をとってほしいという期待に応えたい」と意気込む。

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