ウィルチェアーラグビー・三阪洋行が語る「東京パラに描く夢」 (3ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

伊藤 なるほど、対峙の仕方が違う。では、設備の面ではどうですか?

三阪 結構、日本はバリアフリー設備がしっかりしてきていると思います。でも、その設備の必要性を理解している人は、多分まだ少ないと思います。何のために車いす駐車場があって、何のために点字があってとか。ニュージーランドの人はどんなに混んでいても車いす用の駐車場に健常者が駐車することはありませんでした。でも日本では停まっていますよね。

伊藤 確かに関係ない車が停まっていることがありますね。

三阪 僕はもういいやと思うこともあるんですけど、嫁さんの方が「ちょっと言ってくる」って(笑)。揉め事は嫌なのでいつも止めるのですが、それぐらい理解のある人なんです。僕自身もニュージーランドで、クライストチャーチ市に申請して車いすのカードをもらわないとあかんのですけど、もらわずに車を車いす用の駐車場に停めてたら、メッチャ怒られました。車いすに乗ってるというのが分かったら許してもらえるかなと思ったんですが、「こういうルールがあるんだから、ちゃんとしなさい」って言われて、「ああ、怒られるんだ」と思いました。障がい者も健常者も怒られるときは怒られる(笑)。そういうモラルとか、障がいを持っている人に対する考え方というのが、日本とニュージーランドでは少し違うのかなと。日本人の課題は、障がいを持った人に対する考え方、接し方になるのかなと思います。

伊藤 そうですね。

三阪 海外から来た人に対して、ひとりの日本人としての対応が、日本人全体のイメージにつながるんですから。

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