ウィルチェアーラグビー・三阪洋行が語る「東京パラに描く夢」 (2ページ目)

  • スポルティーバ●文 text by Sportiva
  • 五十嵐和博●写真 photo by Igarashi Kazuhiro

伊藤 例えばどんな風にですか?

三阪 小学生には、「足が動かなくてもこんなすごいことができるんだよ」っていうインパクトを与えることで、車いすに対する概念を変えたいっていうのがあります。逆に大人には、ある程度それぞれの考えがありますから、変わりつつある環境に順応して欲しいという思いを話しています。

伊藤 では、東京パラに向けて夢をお聞かせください。

三阪 2020年の東京パラに、できればウィルチェアーラグビー日本代表のヘッドコーチとして出場するのが夢です。そして、母国開催でのメダル獲得に貢献できれば最高ですね。でも、今は与えられたアシスタントコーチの仕事にしっかりと取り組んで、まずはリオパラのメダル獲得に貢献したいと思っています。

伊藤 ヘッドコーチへの夢を口にしたのは初めてですか?

三阪 具体的に夢を話したのは初めてだと思います。

伊藤 そうなんですね、ここで話していただいて、うれしいです。ありがとうございます。では、東京パラに向けて日本が変わっていくべき点についてどのようにお考えですか?

三阪 一番大きいのが、やっぱり自己責任という考え方ですね。周囲の人々が、障がい者の意思を尊重してくれる社会作りだと思います。日本だと、まず「お手伝いしましょうか?」と、出来ないことを前提に話かけてこられることが多いのですが、ニュージーランドでは違います。まずは「できますか?」とこちらの意思を確認してくれるんです。ただ、自己責任はリスクが伴いますし、逆に日本のように事前にサポートしてリスクを回避する方がよいという考えもあると思います。そこは難しいところですね。

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