パラ陸上・高桑早生「今年になって、世界を意識し始めました」 (2ページ目)

  • 文●スポルティーバ text by Sportiva
  • 写真●五十嵐和博 photo by Igarashi Kazuhiro

伊藤 確かにそうですね。やっぱり物事の決断は早い方ですか? 

高桑 そんなことはないです。よくこの話をすると「すごく決断ができる」って言われるんですけど、意外とそうでもなくて。それよりも、経験値が欲しいとか、場数を踏みたいっていう気持ちが強いと思います。

伊藤 『そこにあるならやっておきたい』というような?

高桑 そうです。試合に関しても、この試合に出ればきっと次があるって思えば、その試合がどんな結果であれ、駄目だったっていう収穫もあると思うんですよね。

伊藤 なるほど。では、こうして日本代表で活躍されて追われる立場になることで、意識する部分は変わってきましたか?

高桑 基本的には自分の目標が何かっていうところが大きいですね。競技をやっていけば、記録は伸びていくわけで、それに対して自分の目標もどんどん上がってきています。5年もやっていれば、今の自分がどこに目標を置けばいいのかも何となく分かってきて、それが自然と日本記録っていうところに結びついた感じが私はしています。シャカリキになって高い目標、日本記録っていうよりは、今自分に出せるタイムはこれぐらいだから、それが日本記録に近いんだな、という感じです。

伊藤 周りを意識するというより、対自分なんですね。

高桑 そうですね。私が日本記録を持つ前は、13秒98だったんですけど、自分は絶対13秒8は出せるって思っていて。別に日本記録を出そうって思っていたわけではなくて、自分が今出せるベストは13秒8だから、そこを目指そうって思っただけでした。私も、それが日本記録に近いとわかっていたので「日本記録目指します」って言ってましたけど、自分の考え方としては、自分のベストを目指してるイメージでした。

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