パラ陸上・高桑早生が語る「義足と私の正しい関係」 (2ページ目)

  • 文●スポルティーバ text by Sportiva
  • 写真●五十嵐和博 photo by Igarashi Kazuhiro

伊藤 バタバタの高校1年生ですね。

高桑 そうなんですよ。でもそこからですね、本当にちゃんと走り始めたのは。

伊藤 スポーツ用の義足を手に入れたことによって、また気持ちは変わりましたか?

高桑 やっぱりあれだけかっこいいものを買ってもらったっていうのは、モチベーションになりました。『簡単にはやめられないな』っていう気持ちにもなりましたね。

伊藤 以前、高桑選手とお話させていただいたときに、「佐藤真海さん()は『義足に血が通う』という言葉を使いますが、高桑さんは?」とお聞きしたら、「私は違います」っておっしゃいましたよね?
※大学時代に骨肉腫を発症し、右足ひざ下を切断。走り幅跳びの選手としてアテネ、北京、ロンドンパラリンピックに出場している。最近では2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会プレゼンターとして招致に貢献した。

高桑 そうでしたね。人それぞれの考え方とか、表現の仕方だと思うんですけど。私の場合、義足に血は通わないですね(笑)。義足はただのプラスチックと鉄の塊だと思っています。どちらかというと、これ(義足)をコントロールしたい。それを真海さんは「血が通う」と表現するのかもしれないんですけど、私はいかに自然に自分が支配するっていう捉え方ですね。日常用に関しても、競技用に関しても。

伊藤 日常用も競技用もなんですね。

高桑 そうですね。たぶん一生一緒に生きていかなきゃいけないので、本当にいい相棒、パートナーでありたいなって思います。

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