リオパラ出場へ手応え。ウィルチェアーラグビー日本代表が優勝 (4ページ目)

  • 取材・文●斎藤寿子 text by Saito Hisako
  • 写真●越智貴雄 photo by Ochi Takao

 決勝で見せた日本のラインナップは5種類。前述したファーストラインのほか、池崎・島川慎一(3.0/40歳/BLITZ)・若山・今井のライン、池・佐藤佳人(2.0/34歳/BLAST)・庄子健(2.0/35歳/RIZE)、山口貴久(1.0/33歳/横濱義塾)のライン、池崎・仲里進(2.5/38歳/Okinawa Huricanes)・羽賀理之(2.0/30歳/AXE)・岸光太郎(0.5/43歳/AXE)のライン、池崎・仲里・乗松聖矢(1.5/25歳/Okinawa Hurricanes)・若山のラインだ。

「優勝はファーストラインだけでなく、セカンド、サードラインにもチャレンジしたうえでの勝利。そういう点で大きな価値がある」

 荻野HCはそう手応えを口にした。

 とはいえ、課題をすべてクリアしたわけではない。セカンド、サードラインの完成度は50~60%だという。そのため「現状として、来年のリオデジャネイロパラリンピックでメダルに届くかどうかと言われると、届くと言えるところまでは来ていない」と、HCの評価は厳しい。

 10月にはパラリンピックの出場権がかかる大一番を控えている。リオへの切符はわずか1枚。世界ランキング1位のオーストラリアを除く最上位国のみがその切符を手に入れることができる。日本はそこで出場権を得ることはもちろん、オーストラリアとも互角の戦いをしたいと考えている。そしてその先に見据えるのは、1年後のリオでの表彰台だ。

 果たして、今大会の優勝は日本にどんな成長をもたらすのか。最終目標へはまだ道半ばである。

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