リオパラ出場へ手応え。ウィルチェアーラグビー日本代表が優勝 (2ページ目)

  • 取材・文●斎藤寿子 text by Saito Hisako
  • 写真●越智貴雄 photo by Ochi Takao

 第1ピリオドで17-11と大差をつけた日本は、第2ピリオド以降も手を緩めることなく、イギリスを引き離した。圧巻だったのは、第4ピリオドでのワンシーン。池崎が目の覚めるようなビッグタックルで相手選手を転倒させたのだ。正当なタックルによる転倒は、転倒した側のファウルとなる。これでターンオーバーで日本ボールとなり、連続得点を生み出した。日本は攻守ともに相手を終始圧倒し、その結果、57-43でイギリスを破り、金メダルを獲得した。

 試合後、池崎はこう語った。

「日本が今、世界のどのレベルにいるのか、そのひとつとして4位(日本)と5位(イギリス)との差がどのくらいなのかを図るために大事な試合だった。結果、その差は大きいと感じている。(オーストラリア、カナダ、アメリカの)トップ3に入るために、(今年においては)まずまずのスタートを切れたと思う」

 さらなる上を目指す日本にとって、今大会の優勝は通過点に過ぎない。

 決勝の朝、今シーズンから指揮官に就任した荻野晃一ヘッドコーチ(HC)は、選手たちにこう語ったという。

「一番重要なのは、目標を達成させられるかどうか。各ラインの課題、個人の課題が何なのかを、もう一度確認をして決勝に臨もう」

 この言葉からも、日本が目指している目標の高さがうかがい知れる。

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