【車椅子バスケ】群雄割拠の日本選手権。優勝候補はここだ! (4ページ目)

  • 斎藤寿子●取材・文 text by Saito Hisako
  • 越智貴雄●写真 photo by Ochi takao

 日本選手権では順当にいけば、準決勝でMAXと対戦する。その試合こそが、ホークスにとっての大一番となる。

 一方、7連覇を狙うMAXは、初めて藤本のいないシーズンを送り、苦戦することも少なくなかったようだ。

 MAXの岩佐義明ヘッドコーチは、「高さがない分、どうやって戦おうかと、いつもいっぱいいっぱいでしたよ」と今シーズンを振り返った。

 だが、王者はしっかりとチームを作りあげてきている。スピードとキレが増した豊島英、随一の統率力をもつ藤井慎吾など、個々の能力の高さはもちろんだが、それだけではない。MAXには、結束力がある。藤本不在でも、その結束力は緩むどころか、より強固になっている。それが垣間見られたのが、関東カップの準決勝、ワールドBBC戦だった。

 前半には最大10点のビハインドを負ったMAXだったが、後半で徐々に追い上げ、最後は延長戦にもちこんで制したこの試合、ハイライトは第4Qの最後にあった。

 43-45と2点ビハインドの第4Q、残り10秒を切ったところで、MAXはタイムをとり、最後の戦略を練っている。残り時間を考えれば、シュートチャンスは1回。そのラストチャンスをキャプテンの中澤正人に託したのだ。実はこの試合で中澤は、力を発揮できずにいた。本来ならば、藤本不在の中、センタープレーヤーの中澤が最大のポイントゲッターとならなければならない。ところが、この試合ではリングに嫌われ続けていたのだ。

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