アームレスリング世界一の男女が明かす日々のトレーニング。「全然違う」方法で頂点を極めた (3ページ目)

  • 篠崎貴浩●取材・文 text by Shinozaki Takahiro
  • 田中亘●撮影photo by Tanaka Wataru

――アームレスリングをやる前のスポーツ経験は?

小寺 特に何もやっていませんでした。学生時代は部活もやっていなかったですし、習っていた空手も2、3カ月で辞めていたので。でも、小さい頃から運動神経はよくて、スポーツはなんでも得意でした。

 ただ、力は弱かったですね。クラス内で腕相撲をすると、上から4番目くらい。それが成長期で体が大きくなっていった15、16歳頃から強くなって、誰にも負けなくなりました。

――山田さんは何かスポーツはやっていたんですか?

山田 私も部活でやっていたわけではないですが、子供の頃は短距離、相撲、バドミントンなど、どんな運動も男の子にも負けませんでした。

――おふたりとも子供の頃から身体能力が非常に高かったんですね。アームレスリングの強さは、フィジカルによるところが大きいのでしょうか?

山田 どのスポーツでもそうでしょうが、アームレスリングも"よーいドン"で差が出ます。今、私が指導している生徒さんもそうですが、身体能力が高い人が経験のある人にいきなり勝ってしまうことも多いです。

――山田さんはアームレスリングと出会って、その魅力にハマったんですか?

山田 魅力に取り憑かれたわけではないですね(笑)。単純に、何でもいいから世界一になりたかった。たまたま自分に合っていたのがアームレスリングだっただけで、「これに人生を賭ける!」と意気込んでいたわけではありません。「とりあえず1回は世界一を獲ろう」という感じでした。

――念願の世界一になったのはいつですか?

山田 2005年なので、アームレスリングを始めてから6年後ですかね。前年の2004年にカナダ大会で世界4位、南アフリカ大会で世界3位になりましたが、それまでは海外の大会に参加することができなくて、練習もあまりできていませんでした。

 でも、南アフリカ大会後のVTRが残っているんですが、そこで私は「来年、必ず世界一を獲ります」と宣言しているんです。そこからは、本当にがっつり練習をするようになって、翌年に有言実行することができました。

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