ギャンブル中毒、借金まみれで「人生詰んだ」。MAX鈴木がどん底から日本一の大食い王に変われた本当の理由 (2ページ目)

  • 川原田 剛●取材・文 text by Kawarada Tsuyoshi
  • 立松尚積●撮影 photo by Tatematsu Naozumi

15歳で味わった挫折と悲観的な人生

ーー「大食い王決定戦」に出場したきっかけは? 

MAX鈴木 油ソバのチャレンジをした頃は、キャバクラとガールズバーの仕事を卒業して、たまたま昼間の仕事をしていました。冷凍・冷蔵機器を販売する営業職だったのですが、それが自分には全然合わなくて(笑)。つまんねえなぁと思っている時に、もえあずのブログを見て、軽いノリで挑戦したチャレンジメニューをクリアしたので、その勢いで「大食い王決定戦」にホームページから申し込みました。そしたら「予選に来てください」と返事が来たので、そのタイミングで昼間の仕事を辞めました。

ーー仕事を辞めたのは退路を断って、大食いの道で勝負してやろうという意気込みだったのですか?

MAX鈴木 そんなんじゃないです。もう単に仕事が合わないから(笑)。でも食べていかないといけないんで、またガールズバーでバイトを再開して、そして予選に出かけました。そしたら何か知らないけど勝ち上がって優勝したという感じですね。あそこで勝たなかったら、今の人生はなかった。当時はパチスロが唯一の救いで、ギャンブルに人生をすべてかけていました。今にして思えば、身を持ち崩しまでパチンコをやるなんて、もうギャンブル中毒以外の何ものでもなかったと思います。

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この記事に関連する写真を見るーーギャンブルと借金まみれの生活を35歳くらいまで送っていたんですね。

MAX鈴木 そうですね。僕はもともとオートレーサーになりたかったんです。父親もオートレーサーを目指していて、子どもの頃からよくオートレースに連れて行ってもらいました。それで、中学を卒業して高校に入学するタイミングでオートレース選手養成所の入所試験を受けようとしたのですが、当時は今よりも身長や体重の制限が厳しかったんです。僕は身長が基準(当時170cm)よりも高くて、試験すら受けられなかった。

 もう15歳で目標や夢を持っても叶わないと思ってしまったんです。それからはもう腐った人生を送っていましたね。人の前に立つこともないし、目立つこともない。人から褒められることもなく、悲観的な考え方で、20年間くらい生きていました。

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